YMD特設ブログ所

アクセスカウンタ

zoom RSS 莇ヶ岳、紅葉の県境尾根を辿る。

<<   作成日時 : 2018/11/05 21:48   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像


 今年になって莇ヶ岳へは春に弟見山へカタクリの花を見に行ったときに寄ったから二度目だ。通算すると、おそらく自分のしがない山行のなかでいちばん登った山かも知れない。
 最初に来たときは莇ヶ岳の象徴ブナ林がチェーンソーの爆音もけたたましく伐採たけなわであった。その当時の伐採の名目は、伐採後に杉桧を植林し将来の建築資材の需要確保にあてるという林野政策であったらしい。その頃の登山愛好者は自然保護に熱烈な人たちが多く、莇ヶ岳のブナ林を守ろうという団体があったが、その活動は押し切られ東南面の山腹の広範囲が無残にもチェーンソーに蹂躙された。
 あれから数十年、伐採後の植林が生長し山腹を黒々と埋め尽している。伐採直後はノーマルルートを登ると朝日に輝く鎖場の懸崖や三角錐の綺麗な山頂が見えたものだが、今では二次林がすっかり生長し山頂部は見えなくなった。ただ、伐採後に登山路部分のみ植林されなかったので、二次林ではあるが新緑・紅葉と変化の富んだ自然林のなかを登ることができるのが救いだ。
 周南市三田川交差点から延びる国道315号線を北上し、鹿野の町へ入ると山々はすっかり錦秋の粧いであった。やがて、鹿野インター入口を過ぎ大潮に差し掛かると錦川を挟んだ狭隘な地形に変わり、前方に赤黄のモザイク模様に塗られた高鉢山の尖峰や小さな独立峰の円山が見られた。
 莇ヶ岳へは登山入口の石柱が立つ戸根橋で右折し、小河内集落の田園帯を抜け林道莇線に入り、一般的な登山起点である最奥の駐車余地に停める。今回はジョウジロウ沢に架かる小橋を渡り、ブナ尾根コースと呼ばれるらしい登山路を辿る。植林地の枝尾根を登り切ると、莇ヶ岳山頂東南面が望める展望地に出会う。山頂直下の鎖場付近は自然林が残されているが、山腹を埋める植林地が無粋であり、山容に優れる莇ヶ岳のよさを台無しにしている感がある。
 しかし、林業従事者にしてみればブナなんぞは字体のごとく無用木であり、彼らにしてみれば杉桧が有用木なのであり、植林してそれらを生産するのは産業発展から当然のことであっただろう。よく自然保護者が云う植林しておきながら後継者不足とか、低価格の外材が持て囃されているというのは後出しじゃんけんみたいなもので、今に言う資格はない。
 紅葉最盛期のヒットを狙っていたが、楓の朱は目立つがブナは落葉しており、残念ながら全体の色合いからしてやや遅きにあるとみる。仕事や所用がある身には時を選んで山へ行けるものではなく、タイミングよくヒットとはいかないのも頷ける。
 展望地から山口・島根県境尾根への合流は直ぐであり、伐採が避けられ風致林として残されたブナ尾根を山頂に向かって辿った。南に開けたところからはジョウジロウ谷を俯瞰し、莇ヶ岳南尾根から続く小河内山や、遠く後背に金峰山・石ヶ岳等の周防山地が逆光に薄煙っていた。登山路傍には亜高山帯の象徴であるブナが見られる。アクセスよく短距離で千メートル標高に来られブナ林が見られるのは貴重な場所である。
 三角錐の山容のよさもさることながら、やはり莇ヶ岳の莇ヶ岳たる人気の所以はこの植生にあるといえよう。ナラ・クヌギ等の落葉雑木林もよいが、やはりブナが加わると登る山の値打ちが格段に上がると思える。戦後の登山ブームの渦中にあった輩が、やれブナだやれ自然保護だと吹聴していたのも少しは分かるような気がする。
 山頂に到着すると、蒼空に排気スモークたなびく飛行機雲が数条仰ぎ見られ幸運な気分になる。西中国山地上空は相当航空路があるようである。地上を歩くことしかができない自分にしてみれば、空を飛べる人間もいるとは何とも格差があるものだ。彼らの才能努力の賜物であろうから羨むことなどはしない。帰路は松ノ木尾根を通り駐車場に下った。その途中の尾根道から以前は山頂がよく見えていたのだが、灌木が高くなり山頂はよく見えなくなっていた。


画像

国道315号線、戸根橋付近の莇ヶ岳登山口


画像

小河内集落


画像

林道莇線起点付近にある石鎚神社


画像

林道莇線、莇ヶ岳登山口駐車場付近


画像

山口・島根県境尾根へ至る枝尾根登山口


画像

枝尾根展望地から見る莇ヶ岳


画像

莇ヶ岳山頂


画像


画像

登山道傍に立つ楓


画像

枝尾根と山口・島根県境尾根との分岐点


画像

県境尾根から見る山口県側の小河内山


画像

県境尾根道(通称ブナ尾根というらしい)


画像

県境尾根道から見る莇ヶ岳


画像

莇ヶ岳山頂


画像

県境尾根道


画像

県境尾根道


画像

県境尾根道


画像

県境尾根のブナ古木


画像

県境尾根道


画像

県境尾根道


画像

県境尾根道


画像

県境尾根道樹間より見る弟見山


画像

県境尾根道より見る莇ヶ岳山頂


画像

山頂直下の尾根道


画像

莇ヶ岳山頂北より見る弟見山


画像

莇ヶ岳山頂のブナ


画像

莇ヶ岳山頂 2018 11/5 11:45


画像

莇ヶ岳山頂より見る鈴ノ大谷山 後方は安蔵寺山


画像

莇ヶ岳山頂より見る飯ヶ岳


画像

莇ヶ岳山頂より見る寂地山・冠山・小五郎山


画像

莇ヶ岳山頂より見る大蔵ヶ岳


画像

莇ヶ岳山頂より見る県境尾根


画像

西中国山地上空の飛行機雲


画像

第三の鎖場より見る県境尾根


画像

第三の鎖場より見る県境尾根


画像

第三の鎖場より見るジョウジロウ谷 


画像

第三の鎖場


画像

第二の鎖場上の不動明王


画像

松の木尾根より見る莇ヶ岳

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
莇ヶ岳、紅葉の県境尾根を辿る。 YMD特設ブログ所/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる