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zoom RSS カエデ(楓)カエデ科カエデ属 落葉喬木

<<   作成日時 : 2018/11/03 20:43   >>

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 この稿を書くにあたって『日本植物図鑑』(保育社版)をあらためて見直してみたら、カエデ科は世界に二属一五〇種とある。その一属はもちろんカエデ属だが、もうひとつには触れていない。そこでカエデ属をみるとやはり一五〇種とある。してみると他の名のわからぬ属に属するものは、おそらく一〜二種しかないのだろう。
 ついでに樹種の名を調べてみたら、○○カエデのようにカエデのつく名(A)三〇、イタヤのつく名(B)一四、モミジのつく名(C)八、その他五で、計五七。ひとつの樹種に複数の名を持つものもあるから、これは種の数ではない。種の数は三九。(A)の最多は当然だが(B)が(C)より多いのは意外だった。“イタヤ”とは“板屋”で板葺き屋根のように葉がおおいひろがり、雨も漏れない樹相からとのことだ。
 つぎに『山口県植物誌』によると、県内に自生するカエデ属は一四種。ただし寂地山など、ごく限られた山域のみに自生し<希>にランクされている七種を除くと、<やや普通>がチドリノキ、コハウチワカエデ(イタヤメイゲツ)オニイタヤ、<普通>がイロハモミジ(タカオカエデ)オオモッミジ、ウリカエデ、ウリハダカエデの七種。これらを葉の形で大雑把に大別すると、掌状に五〜一三裂するもの、イロハモミジ、オオモミジ、コハウチハカエデ、オニイタヤの四種で、このうちオニイタヤは葉縁に鋸歯がない。三浅裂するもの、ウリカエデ、ウリハダカエデ。長楕円形のものチドリノキということになる。これ以上の細かな穿鑿は私にはなじまない。
 わが家の一〇坪ほどのボロ庭には二〇本余りのカエデがひしめき合っているが、この大半はイロハモミジで、数本のイタヤメイゲツとオオモミジが混在している。これらはすべて二〇〜三〇年前、県内の山々から一〇〜二〇Cmほどの幼木を採ってきたものだ。ブナ林のように林冠の閉じていて陽射しが林床まで届かない山腹に散見されるカエデの幼木は、成長することなく、いつのまにか立ち枯れてしまう、というのが私の間引きの際の弁明だ。

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 今年の紅葉前線はすでに始動している。十月上旬北海道から南下を始めた前線は間もなく県内を横切り十一月下旬に九州南端に至る。
 JR各駅の構内には「紅葉だより」も掲示されている。これによると県内では寂地峡、長門峡、石柱系の三ヶ所のみだ。私はむしろ多くの支流にわかれ様々な滝を秘めている木谷峡の紅葉が一番好きだ。これからもいえるが、乾燥を嫌い湿潤を好みながらも、なお陽光を恋うるカエデの名所は明るい渓谷沿いに多い。
 紅葉はたちどころに落葉につながる。“もみじ且つ散る”という長い季語があるが、“散りもみじ”はさらに“敷きもみじ”となり、“浮きもみじ”“沈みもみじ”ともなって初冬まで山や渓を彩る。“散り敷いて渓の底まで紅葉山”(山下幸子)の風致であり“林間酒をあたためて紅葉を炊く”(白居易)の情趣でもある。

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 カエデの類は、特に日本では観葉樹として親しまれ、多くの園芸品種が作られており、これは街の中の神社、仏閣や旧蹟、公園などの名所を飾っている。そのひとつ、山口市宮野の常栄寺の門前には“もみじして、落ち葉して呵々、朽ち葉かな”と刻まれた二蕉翁碑がある。自嘲とも達観ともいえる辞世の句だが、この二蕉庵紫沓は幕末期、幕府の隠密として長州に入り大村益次郎などにつきまとったといわれ、後年は山口の大内文化が忘れられずに宮野に庵をかまえ、大正八年に没したという。
 最後にもうひとつ数にこだわれば、園芸品種としてのカエデの種について、江戸期に出刊された『地錦抄』には一〇〇種、明治期の『品便覧』には二〇〇種が紹介されているという。

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